「一度出したものをやめるのは罪深い」

これは、私のとなりの部署の研究所長様のお言葉。
所長様が某部署の技術部長様だった当時、非常に先鋭的な製品Xを開発して販売していたのですが、世の中のトレンドよりちと早かったこともあって、うまく売れず、結局販売停止になりました。しかしその後、「Xを使った製品をバージョンアップしたいのですが...」「Xが終売になったのでリプレース案は...」といった質問がぼろぼろ出てくるのです。それを見た私が、「なんとかなるんじゃないんですか?」と聞いたときの所長様のお答えです。
正直に言いますが、CaHDToolsを開発した私は既にCaHDToolsは使っていません。米国駐在中は、通勤電車などのzaurusいじり時間もありませんでしたし、帰国後もわざわざモバイル通信環境を整える気にならなかったこともありますが、私にとってzaurusは既にゲーム機(謎)なので。
それでも、自分が作り出した*1CaHDToolsに依存してしまった人がいる限りはやはりサポートは続けなくてはいけないのだ、と今更ながら今回の件で実感しています。そして、最終的にサポートをやめる判断が、ビジネス判断ではなく感情的な判断になるがゆえの難しさ、というのもちょっと考えている今日この頃なのです。

*1:オリジナルアイデアは結城氏の「はてダラ」ですが