某業界団体委員会合宿@箱根「晩翠楼 福住」
ある意味,業界の親睦団体に近いものがあるので,活動の一環で,合宿と称してぷち旅行*1したりするわけです。で,この場合,会社のお金なこともあって,普段自分で金出しては行かないようなところを狙うのですが.....。
今回はすごかったですよ。なんたって,国の重要文化財ですから。
明治時代の建物が完全な形で残りしかも現役で旅館として営業中,というのは非常に珍しいのだそうです。しかも,当時の贅を尽くして,職人も工期を区切らず出来に満足するまで行った造作は,ほんとにすごいです。とりあえず,箇条書きにしてみます:
- トイレ。木材としっくいの組み合わせの効果か,全く臭くないです。木のにおいがいい感じです。女将いわく,「掃除をしていて気分がよい」のだそうです。
- 障子の形。全部屋で完全に違うデザインです。「だまし絵」なデザインなんかもあります。面白いのは,竹の節の部分を含んだ形で垂直にスライスしたものを桟に使ってたものとか。
- 木材。屋久杉の一枚板(!)とか,桜の丸木柱とか,惜しげもなく使っています。いまや修繕用の材木を確保するのも不可能なくらいだそうです。余計な造作を加えずに使っていて,木材そのものの美しさに圧倒されますね。
- 電気設備。福住の当主が,箱根で最初に電力に取り組んだのだそうで,その当時からの照明のスイッチが未だに現役でした。たかがスイッチ,なんですが,黒光りしてとても美しく思いました。もっと面白いのは,「コンセント隠し」という造作です。電気を各部屋に引いた際に,コンセントも配置したのですが,それを,部屋の雰囲気を壊さないために,うまく隠す造作をしてあります。ほんと感心する作りです。
あとは余談的には,「国道1号は元々福住の私道だった」「源泉のある山は自前の山」「館内の書は全て宿泊客からの頂き物*2」とかなんとか。
ところで,さすがにそういう部屋なせいか,「部屋で軽く飲み会やっていいですか」と幹事さんが宿に訪ねたところ,「その部屋*3でだけはやめてくれ」といわれ,わざわざ別の部屋を用意してくださいました。とにかく,気の使いようが尋常じゃなかったです(^-^;;
いろいろ感心しまくったのですが,従業員さんのサービスもすばらしく,ほんとによい宿*4でした。